近年随一の豊作といわれてきた早大・斎藤佑樹投手らハンカチ世代ドラフトが、1カ月後に迫った。斎藤、早大・大石、中大・沢村は1位指名がが確実だが、10月28日まで30日となったところで、各球団のスカウトから「クジを外したら大変。12人そろわない」との声が漏れるようになってきた。

 シーズン前は1位指名12人が、ハイレベルでそろうと予想されていた。巨人山下スカウト部長は「1位に入ると思った選手が少し落ちてきた印象はある」と話す。1位は確定するまで入札、抽選を繰り返す。仮に2度外すと…。抽選を嫌い、法大・加賀美、早大・福井らの指名に踏み切る球団が出る可能性はありそうだ。

 1位確実だった佛教大・大野は左肩の炎症でリーグ戦未登板のままドラフトを迎える見込み。高校生トップ評価だった広陵・有原、が早大進学を希望するなど、絶対的1位候補は不在。社会人は東京ガスの左腕、榎田らが1位候補に挙がる。

 広島苑田スカウト部長の「5、6人のトップクラスと、それに匹敵する力を持つ選手が全体で15人ぐらいいる」との声もある。八戸大・塩見、野手では東海大・伊志嶺らが高評価を受ける。日本ハム山田GMは「これから順位付けをしていかないといけない」と言う。外すリスクを嫌うか、思いを貫くか、ドラフト直前まで熟考することになりそうだ。【前田祐輔】