史上最大のお披露目ショーで、佑ちゃんが華々しくプロ第1歩を踏み出した。日本ハム、ドラフト1位の早大・斎藤佑樹投手(22=早実)が9日、本拠地札幌ドームで入団会見を行った。無料開放されたスタンドには予想をはるかに超える8000人のファンが詰め掛け、注目度と期待度の高さが浮き彫りになった。セレモニーでは早速マウンドに上がり、梨田昌孝監督(57)相手にプロ第1球を投じるなど、異例の船出となった。

 公式戦に負けない大歓声が、注目ルーキーを包み込んだ。契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円(金額は推定)で正式契約を済ませ、札幌ドームで行われた入団会見。スタンドには、予想を大きく上回る約8000人のファンが詰め掛けた。

 斎藤

 平日なのに、これだけたくさんの人に集まっていただいて、感謝とともにうれしさでいっぱいです。すごいですね。(試合になれば)もっと入ると思いますし、その中で投げられたらいいなと思います。

 札幌は小雪がちらつく極寒の1日。斎藤も「外はすごい寒かった」と、幼少の家族旅行以来となる北の大地に目を丸くしたが、ファンは熱かった。一番乗りは午前4時。午後1時すぎには2500人が長蛇の列をつくったため、球団は同2時の予定だった開場時間を30分早めた。5000人を想定して用意した三塁側内野席では収まらず、急きょ座席を拡大。03年に同じ舞台で行われた新庄の入団会見(約2000人)をはるかに超えたばかりか、今季6月14日のヤクルト戦(神宮)の観客数6202人以上の大観衆を、たった1人で集めたことになる。

 主役はマイクを握っても輝きを放った。「まず初めに言っておかなければならないことがあります」と06年夏の甲子園で駒大苫小牧を破ったことをわびると、地元ファンから拍手がわき起こって“つかみ”はOK。「対戦したい打者?

 なるべく打率の低い選手」「ユニホーム似合っている?

 自分でも、正直ちょっとだけ思いました」とユニークな受け答えで笑いを誘った。

 セレモニーでは本拠地マウンドからプロ第1球も披露した。梨田監督のミット目掛け「五分くらい(の力)」で投じたボールは、高めに外れ、残念ながらボール。だが「投げやすそうなマウンドでした。ここでやるんだなあと思いました」とイメージを膨らませた。

 人生で初めて背負った「18」という背番号に、あらためて気持ちを引き締めた。「18番をいただいたので、そのレベルというか、日本を代表する投手になりたいです。エース像?

 チームメートに信頼される投手です」。高校、大学で日本一となった「持ってる男」の門出。プロでも数々の歴史を残すであろう「日本ハム斎藤」が、多くのファンに見守られながら、華々しくデビューした。【本間翼】