<首都大学野球:東海大6-1日体大>◇最終週初日◇22日◇大田スタジアム

 ドラフト1位候補の157キロ右腕、東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)が日体大を8回4安打1失点に抑え、春の雪辱を果たした。今春のリーグ戦では3回戦で敗戦投手となり、結果的に優勝を献上。雨天による中断を挟んでも集中力を切らさず、因縁の相手から毎回の9三振を奪った。27日のドラフト会議で1位指名を表明している巨人は、清武英利球団代表兼GMが初めてリーグ戦視察に訪れた。

 完封でも完投でもない。それでも菅野は、この勝利にこれまで以上の価値を見いだした。「チームとして勝てたことがうれしい。試合前から『内容より勝利』と決めてました」。春に勝ち点を落とし、在学8季中、唯一優勝を譲った相手。それが日体大だった。

 舞台は万全ではなかった。2回終了後に雨天で40分間中断。砂を足したマウンドは傾斜がなく「高い平面で投げてる感じ」。直後に失点した。バランスを取ろうとワインドアップを試し、球種とコースも絞って修正。降板する8回まで、毎回の9三振を奪った。

 ドラフト前最終登板の可能性もある中、今季無傷の5勝目だ。リーグ戦全勝まであと1つ。「入学してから2回全勝優勝しましたけど、2回とも全国の決勝まで行ってるんですよ」。今日勝てば、全国制覇への吉兆となる。【鎌田良美】