日本ハム栗山英樹監督(51)と、ドラフト1位指名した花巻東・大谷翔平投手(18)の初めての直接交渉が26日に内定したことが20日、分かった。同監督と球団側は指名直後から対面を熱望していたが、大谷サイドも了承し、岩手県内で実現する。大谷本人同席の前回17日の交渉で「エース兼任4番」の育成方針を提示し、軟化の兆しをキャッチ。指揮官が、強いメジャー志向からの翻意へと全力投球することになった。
熱血監督が交渉の切り札として、難攻不落が予想された大谷との対面の機会を得た。この日までに、大谷側が球団側の希望を受け入れた。26日の実現が内定したが、栗山監督の初の直接出馬も了承された。10月25日にドラフト指名し、翌日の指名あいさつから数え、大谷側とは5度目の対面。段階を踏んで伝えてきた球団側の誠意に応えてもらう形になった。現段階では、大谷本人も自身3度目のテーブルにつくことを、既に了承しているという。
日本ハムにとっては朗報だ。前回17日には、大谷本人と2度目の交渉を行った。その席では入団した際に、突出した才能を持つ投手と野手の両面で育成していくことを確約した。その規格外で斬新な条件に、大谷の父徹さん(50)は「全くNOという感じではない」と息子の心変わりの可能性を明かしていた。周囲の関係者によれば、大谷も快くリクエストに応じる姿勢を見せたという。今回、大谷が栗山監督との交渉を受諾したことで、事態がさらに前進したといえる。
栗山監督は強行での1位指名公表、指名直後から「再会」を願っていた。昨年3月の東日本大震災後に、キャスターとしての取材活動で初対面。面識があるだけに「本音を言うと、申し訳ない」と大谷の勇気あるメジャー表明に水を差すことに、心を痛めていた。「できるだけ早く花巻に行きたい。とにかく花巻まで何度でも足を運ぶ」と宣言し、謝罪と熱意を直接伝える機会を待望していた。
ドラフト前から「今年の一番いい投手で、一番いい打者」と才能にほれ込んで、指名を見送らないように球団の背中を押した。入団後に推奨している「エース兼任4番」での育成計画を強く唱え、翻意に備えての迎え入れ準備も進めている。大谷の将来に配慮し、交渉リミットは年内に設定している。正念場まで約1カ月。最強の交渉人が満を持して、最速160キロ&高校通算58本塁打と魅惑の逸材の心を動かしにいく。<大谷と日本ハム経緯>
▼10月21日
大谷が花巻東高で記者会見し、メジャー挑戦を正式表明
▼23日
日本ハムがドラフトで、大谷を1位で強行指名することを決定
▼25日
日本ハムが単独1位指名。大谷は入団の可能性を「ゼロ」とし、栗山監督は直接交渉に意欲
▼26日
山田GMらが花巻東高を訪問して指名あいさつ。大谷は同席せず
▼11月2日
山田GMらが2度目の指名あいさつで自宅を訪問。初めて本人との面会に成功し、栗山監督のメッセージ入りサインボールを手渡す。大谷は「高校生からは初めてなので、パイオニアとしてやっていきたい」
▼10日
花巻市内のホテルで入団交渉。本人は同席せず、山田GMらが両親にメジャー挑戦のリスクなどを資料をもとに説明
▼17日
奥州市内のホテルでの交渉に本人と両親が出席。エース兼4番の二刀流プランに大谷は「少しニコッとした」(山田GM)
▼18日
栗山監督が「自分の魂を持っていくことが一番大事。優勝パレードは楽しみにしていたけど、それよりも大事」と次回交渉への直接出馬を明言



