能力は野球だけじゃない!?

 広島ドラフト2位の鈴木誠也内野手(18=二松学舎大付)が13日、トリプルスリーのお墨付きをもらった。広島市内のホテルで行われた新入団会見。隣に座る野村謙二郎監督(46)を目標とし「トリプルスリーを達成されている方なので」と言い切った。指揮官も「なれる逸材だと思う」と太鼓判。その度胸とトーク力から、スターの片りんをのぞかせた。

 ただ者ではない。隣に野村監督が座っていてもお構いなし。堂々とした鈴木の受け答えには、早くもオーラが漂っていた。最大の見せ場は、目標とする選手を問われたときだった。

 鈴木

 野村監督です。トリプルスリーを達成されている方なので。

 打率3割、30本塁打、30盗塁-。とっさに頭に思い浮かべた答えを口にした。ちらっと横目で表情を確認した指揮官は笑みを浮かべていた。反応を求められた野村監督からは、早くもお墨付きを与えられた。

 野村監督

 だいぶ上手を言ってくれているようで、僕がしたときは見ていないと思う。でも、そうなれるようにしてほしいし、逆になれる逸材だと思います。

 ジョークの中も期待が込められていた。野村監督がトリプルスリーを達成した95年は鈴木は1歳。当然、リアルタイムでプレーは見ていないが、決して口先だけのゴマすりではない。

 鈴木

 逆方向にも打てるし、本塁打も打てる。勝負強いのも、映像を見ても分かります。

 広島の入団が決まった際に、父宗人さん(47)から野村監督の偉業を教えられた。それ以来、動画サイトでは現役時代のプレー集を繰り返し見続けている。高校入学時にも父から「野球をやるなら、上の世界をめざせ。トリプルスリーをめざそう」とハッパをかけられ、鈴木にとって指揮官はまさに目指す選手像だ。

 右打者でのトリプルスリーは89年の秋山幸二(西武)以来、球界でも20年以上出現しておらずハードルは高い。だが、最後に達成した02年松井稼頭央(当時西武)も高校時代は投手。高校通算43本塁打を誇る男も、可能性は十分に秘めている。

 鈴木

 何年ぶりになるか分からないけど、自分にプレッシャーをかけてやりたい。

 晴れ舞台の前夜も、ホテルの地下駐車場で黙々とバットを振り続けた。自称負けず嫌いのスター候補生は、本気で偉業を成し遂げようとしている。【鎌田真一郎】