<プロ野球ドラフト会議>◇23日

 今ドラフトの目玉で早大の156キロ右腕、有原航平投手(4年=広陵)が4球団から1位指名を受け、抽選の結果、日本ハムが交渉権を獲得した。東京・東伏見の同大学キャンパスで行われた会見で、有原は「速球を意識せず、勝てる投手になりたい」と頼もしく言い切った。

 早大・有原は東京・東伏見の安部寮で約40人のチームメートとともに、立ったままテレビ中継にかじりついていた。日本ハムが交渉権を獲得したシーンを見ると、ガッツポーズ。指名直後、34社、約100人の報道陣を前に、「4球団から指名していただいてうれしい気持ちです。どこに行っても頑張ろうと思っていました」と、10年斎藤佑以来となる早大出身の日本ハム1位投手は喜びを語った。

 大谷に続く大型右腕が、北の大地に降り立つ。「大谷選手は高校を出てすごい活躍をしています。素晴らしい選手だと思います」と、年下の“先輩”に敬意を表し、まだ1度も訪れたことのない北海道とチームへのイメージを語った。「常に優勝争いをしているチームで、栗山監督は若い選手をどんどん起用されています。ファンの方も熱くて温かい印象です」と、札幌ドームで送られる声援を描き、思いは高まるばかりだ。

 3年夏の日体大とのオープン戦で156キロを計測した。剛腕のイメージだが、本人は「僕は技巧派だと思います」と分析する。大学入学後、カットボールとツーシームを習得したことで三振が増えた。カットボールは1年の秋、1学年上にいた楽天横山と遊びながら覚えたもの。2年から使い始めたツーシームもすぐにものにした。189センチ、96キロと恵まれた体格の右腕は、プロでも器用に変化球を操り、ほんろうするつもりだ。

 目標にする選手やタイトルは、まだない。「とにかく勝てる投手になりたい」と、即戦力として評価してくれたチームの期待に応えていく。最初に目指すのはローテーション入り。そして、その先にはもっと大きな夢を描く。「メジャーは憧れでもあり、夢でもあります。自分にできることをしっかりやっていきたいです」。かつての大エースである、レンジャーズのダルビッシュ有投手(28)に近づきたいと願う。大きな1歩を踏み出した右腕の夢は、果てしなく広がる。【和田美保】<有原航平(ありはら・こうへい)アラカルト>

 ◆生まれ

 1992年(平4)8月11日、広島県広島市生まれ。

 ◆球歴

 小学校時代に河内少年野球クラブで軟式野球を始め、三和中を経て広陵高入学。硬式野球は高校から始める。

 ◆甲子園

 広陵高2年春からベンチ入りし、3年で春夏連続出場し、春は4強、夏は1回戦敗退。

 ◆大学実績

 早大ではリーグ通算18勝12敗。防御率2・73。2年春に全日本選手権優勝に貢献、4年春に5勝1敗でベストナイン。

 ◆武器

 最速156キロの直球とスライダーなど制球力のある変化球。

 ◆趣味

 フットサル。

 ◆好きな食べ物

 広島風お好み焼き。

 ◆サイズ

 189センチ、96キロ。足のサイズは29・5センチ、右投げ右打ち。

 ◆視力

 左右ともに1・5。

 ◆握力

 左右ともに70キロ。

 ◆50メートル走

 6秒2。

 ◆家族

 両親と兄。

 ◆血液型AB。