ソフトバンク柴原洋外野手(36)が怒りをぶちまけた。1億2000万円から野球協約で定められた減額制限(1億円を超えている場合は40%)を大幅に上回る65%減となる4200万円を保留。「全く納得できない」と語気を強めた。さらにプライドを傷つけたのは「選手名鑑」だ。交渉の最中にいきなり目の前で小林取締役が選手名鑑をめくりだしたという。

 「何してるんですかと聞いてしまいましたよ」

 不誠実な対応に映りあ然としたが、査定提示の段階でも怒りがこみ上げた。これまで球団は新査定と従来査定の2通りを提示してきたが、柴原には新査定のみだった。

 球団は「FA権を持つ選手は新査定しか選べない」と説明した。だがFA権を取得ながら従来査定を選択できる選手もおり「どういうことかわからない」と困惑しきっていた。

 69試合で20打点にとどまりダウンの覚悟はしていたが、金額交渉の前段階で不信感が募った。「これでは必要とされていないのかと考えてしまう。自分はここに骨をうずめる考えだけど、こんなんじゃ出て行く選手もいると思う」と怒りを抑えられなかった。

 今後は専門家へ相談することも検討する。「お互い感情的になるよりも、第三者を入れた方がいいかもしれない」。14年目のベテランが厳しい冬を迎えている。