第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補の中田翔外野手(23)が14日、歴戦の先輩侍たちに挑戦状をたたきつけた。今日15日に宮崎で始まる日本代表合宿では、候補33人のうち5人が脱落する。現在、当落線上にいる中田は猛アピールするしかない。野手最年少の若侍は「年下だからって周りに気を使う必要はない」と、最終メンバー入りを懸けたサバイバル合宿へ向けて目をぎらつかせた。
日本ハムの沖縄・名護キャンプから代表合宿の地、宮崎へと旅立つ直前だった。15日から始まるサバイバルへ向けて、中田が雑念をすべて振り払った顔で、口を開いた。
中田
(先輩の)荷物運びとか、俺、絶対にやんないよ。年下だからって周りに気は使わない。野球をやりに行くんだし、その必要はないと思う。勝ち残るかどうかなんだから。
真っ黒に焼けた肌が、自主トレで肉体を追い込んできたことを物語る。23歳と野手では最年少だが、先輩たちにこびることは自由奔放な“ガキ大将”中田の美学に反するようだ。名だたる球界の先輩たちも、代表合宿ではライバル。なれ合いで競争心を失ってしまっては、元も子もない。
中田
プライベートなら、なおさら(気を使わない)。変なストレスを自分に与えないで、部屋でゆっくりしたいもん。
本来は「大勢でワイワイ食事をするのが好き」と言うが、今回ばかりは“プチ引きこもり”も辞さない。代表の座を勝ち取るため、わが道を貫き、先輩侍たちにガチンコ勝負を挑む。「最後まで残りたいから、選ばれたいから、やってやろうという気持ちになっている。バットも振れていて、いい感じ」。努力がどこまで形となって表れるか。若侍は、武者震いを抑えられなかった。
侍候補33人のうち、脱落者は5人。外野手は1人が、その対象になる。ポジションが確約されていない中田は当落線上におり、内川ら国際大会で実績のあるメンバーを相手に左翼の定位置を勝ち取るため、死に物狂いで競争に挑まなければならない。キャンプでは、軸足の回転を意識して打撃練習を積んできた。1日おきに特打を敢行し、フォーム固めに多くの時間を費やした。
中田
走塁はスペシャリストがいるので、守備とバッティングでアピールしたい。悔いの残らないよう、一生懸命やりたい。
ひたすら、長所を追求してきた。意外にも安定感のある左翼と一塁の守備、そして右の大砲として磨いてきた打撃。短期間でどれだけ代表首脳陣にアピール出来るかが、サバイバルを生き抜くカギと自覚している。グラウンド内外で、わが道を貫く。
中田
最後まで残れば自信になる。落ちるんじゃなく、残るために行く。自然体でプレーすれば大丈夫。
下半身が動かなくなるまでバットを振った自信がある。強い決意に目をぎらつかせ、先輩たちに宣戦布告した若侍。運命の1週間に、全身全霊をかける。【中島宙恵】<中田翔のアツイ発言アラカルト>
◆飛ばす
入団1年目、08年のキャンプイン前日、「自分には飛ばすしか取りえがない。唯一自信を持っていけるのがそこ」と、高卒新人らしからぬ態度で宣言。初日のフリー打撃で140メートル場外弾を放つ。
◆100万円やろ
09年のフレッシュ球宴に出場する際には「(MVPの賞金は)100万円やろ?
(チームメートと)取ろうやって言ってます」と言い放ち、見事に獲得した。
◆折れても
左手甲を骨折していた昨季の日本シリーズ第6戦前には「ここまで来たら、折れても出るよ」と話して出場。同点3ランを放った。
◆4番のこだわり
今回のWBC日本代表候補が発表された昨年12月、「4番としてのこだわりも持っているし、試合になれば先輩後輩は関係ない」と話した。



