<練習試合:日本6-3ジャイアンツ>◇14日(日本時間15日)◇米アリゾナ州スコッツデール

 中田翔外野手(23)は推定130メートルの大飛球で存在感を見せた。2点リードの4回1死二塁、2ボール2ストライクから思い切り左足を上げた。ジャイアンツ右腕ぺティットの低めスライダーをフルスイングですくい上げ、中堅フェンス際まで運ぶ適時三塁打をマークした。「ちょっと泳がされたけど。あそこまで飛ぶとは思わなかった」。打たれたペティットも「いいスイングだった」と舌を巻いた。

 スコッツデール球場は、中堅フェンスまで約131・1メートル。決勝Tの舞台となるAT&Tパークは、中堅約121・6メートルで、この日の当たりならスタンドに入っていた可能性もある。

 この日は3回に先頭打者で左前打を放ち、6回にも弾丸ライナーの中前打を放つなど3安打1打点と気を吐いた。ジャイアンツのリゲッティ投手コーチも「彼は雰囲気があった。力強いスイングだった」と驚いた。

 2次R最終戦から、長打を求めて昨季の足を上げる打撃フォームに戻した。2次Rを終えて6安打すべてが単打だったため、立浪コーチに直訴して、「すり足」から「1本足」に戻した。実戦2戦目で待望の長打をマーク。立浪コーチは「非常に良かった。追い込まれてからでも、頭が前に出なくなった」と合格点を与えた。

 この日は昨季限りで阪神を引退した金本知憲氏がジャイアンツ戦を生観戦。オフに自主トレを共にしてきた「師匠」の前で快音を響かせた。「アメリカの球場はスケールが大きい。テンションが上がる。(準決勝へ向け)勝ちにこだわっていきたい」と、心身ともに最高の状態に仕上がった。【佐井陽介】