ベースボール発祥の地、アメリカが、ついに世界一の座に就いた。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦は、米国がプエルトリコに完勝し、念願の初優勝を飾った。先発マーカス・ストローマン投手(25=ブルージェイズ)が、6回まで無安打の快投。打線も効果的に得点を加え、危なげなく難敵を振り切った。本場の威信をかけて、「名」より「実」でチームを編成した首脳陣の信念が、ようやく実った。

 星条旗を手にしたA・ジョーンズ、イエリチを先頭に、ビクトリーランが始まった。「USAコール」が響く中、トップメジャーリーガーたちが、大はしゃぎでグラウンドを1周した。準決勝まで7戦全勝のプエルトリコ相手に完勝。ようやく「強いアメリカ」を全世界に実証した。リーダー格のA・ジョーンズは、興奮気味に言った。「ここにいる全員が、米国のためにプレーしたかったんだ」。過去3大会の通算成績は、10勝10敗。大会の権威、意義を失墜させてきた汚名を、きっちりとそそいだ。

 バランスの良さと総合力で、頂点をつかんだ。3回、キンズラーの2ランで先制すると、5回にはイエリチの適時打などで2点を追加した。投げては、先発ストローマンが6回まで無安打と快投。終盤にはダメ押し点も加えた。重圧のかかる決勝が、最高の試合運びだった。