WBC世界ミドル級7位村田諒太(29=帝拳)が、強敵撃破で世界に名前を売る。来月1日のWBO世界同級15位ドウグラス・ダミアン・アタイジ(ブラジル)戦に向け、23日に都内のジムで練習を公開。プロ7戦目で迎える初の世界ランカーとの対戦に、万全の仕上がりを強調した。層の厚いミドル級で、世界戦を視野に入れた勝負の年。ファンの期待を背負い、攻撃的なボクシングで未来を切り開く。

 3回のスパーリングを行った村田は「絶好調」の言葉通りの軽快な動きを見せた。5戦目で対戦したルナに対し、下半身を柔らかく使い、ワンツーからの強烈な左ボディー。日に焼けた精悍(せいかん)な顔つきで汗をぬぐうと「強い相手とやるのは楽しみ。まず勝つこと。その上で面白い試合ができればいい」と力を込めた。

 当初、村田が契約する米プロモート大手のトップランク社は、ノーランカーと対戦を計画していた。だが、帝拳陣営が世界ランカーとの対戦を譲らずに実現したカード。「最強」の呼び声高い、WBA同級スーパー王者ゴロフキンでさえ、世界戦までに19戦を要した激戦階級。ランカー対決を7戦目でクリアすれば、「世界」に向けた大きな1歩を意味することになる。

 帝拳ジムの浜田剛史代表は「ファンの期待も高いし、こういう相手と戦わないと世界に名前が売れない。今回の一戦でどれだけ評価されるか」と試合の意味を解説。村田も「あいつが世界をやったら面白そうだという試合をしたい」と満点回答をする決意だ。

 最高の舞台も用意される。欧米が中心のミドル級で、国内で世界ランカー同士が対戦するのは異例。WBC世界スーパーフェザー級王者三浦隆司のV4戦と同じ興行だが、この日までに村田がメーンを務めることも決まった。結果が求められる重要な一戦に「自分の武器は前にでる圧力と、その上にある強いハート。面白い試合になる」。15年の初戦。3戦ぶりのKOで存在感を示す。【奥山将志】