今月3日に死去した元世界ヘビー級チャンピオンのムハメド・アリ氏の埋葬式、および追悼式が米国時間の10日、故郷ケンタッキー州ルイビルで行われ、その模様は各メディアでライブ配信された。

 俳優ウィル・スミスやマイク・タイソン氏らが棺を霊柩車へと運んだ後、霊柩車と17台の車の行列が、沿道に集まったおよそ10万人のファンや地元民たちが「アリ! アリ!」と合唱する中、アリ氏が子供時代に住んでいた家など、ゆかりの深い場所を回りながらケイブヒル墓地へと向かった。米ピープル誌電子版によると、同墓地では、家族や親しい人々だけのプライベートな埋葬式が行われたという。

 さらに同日午後、大規模なスポーツアリーナ「ケンタッキーYum!センター」で行われた追悼式には、無料チケットを入手したファンを含む約1万5000人が出席。

 ピープル誌電子版によると、アーノルド・シュワルツェネッガー、デービッド・ベッカム氏、ウーピー・ゴールドバーグ、スパイク・リー監督、NFL選手のジム・ブラウン、NBAの伝説的な元センタープレーヤー、カリーム・アブドゥルジャバー氏ら各界の著名人たちも出席したという。

 アリ氏の4人目の妻ロニー夫人や娘たちによる感動的な弔辞に続き、長年の友人である俳優ビリー・クリスタルや、アリ氏が生前から指名していたというビル・クリントン元大統領らが弔辞を読んだ。

 オバマ大統領は長女マリアさんの高校卒業式のため欠席し、大統領顧問が代理で弔辞を読んだ。オバマ氏は弔辞の中で、「ムハマド・アリはアメリカである。生意気で、挑戦的で、パイオニアで、疲れ知らずだった。彼は私たちの最も基本的な自由である宗教、言論、精神そのものだった」とアリ氏を追悼した。(ニューヨーク=鹿目直子)