WBO世界ミニマム級2位高山勝成(33=仲里)が、国内最多4度目の世界王座に返り咲いた。同1位加納陸(18=大成)を6回58秒、3-0の負傷判定で下した。高山が3回に偶然のバッティングで左まぶたを切り、不完全燃焼の結末になったが、日本人最多16度目の世界戦を勝利で飾った。日本人最年少世界王座獲得を狙った加納を緩急をつけたパンチで攻略し、経験の差を見せつけた。

 高山は右拳で何度もロープをたたいた。左まぶたの出血が止まらず、6回58秒でレフェリーストップ。「9回か10回くらいにKOできると思った直後だったんで。本当に悔しい」。まるで敗者のように残念がった。

 不完全燃焼にはなったが内容は完勝だ。最年少世界王座獲得を狙った18歳加納を緩急自在の攻めで揺さぶった。左右の連打、的確な右カウンターで何度もぐらつかせた。文句なしの3-0判定に「ひとまず勝利を手にして、すごくホッとしてますし、すごくうれしい」とひと息ついた。

 敗れた昨年大みそかの前戦時は1回もスパーリングできなかったが、今回は60回以上こなした。万全の態勢で臨んだ16度目の世界戦で6本目のベルトを奪った。これで4度目の世界王座返り咲き。「自分を信じて戦い抜けた」。15歳差対決を制した33歳は胸を張った。