IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(29)に、新たな敵が出現した。セミの10人タッグ終了後、乱入してきた鈴木みのる(48)率いる鈴木軍に襲撃された。前日の東京ドームで46分の死闘を制した王者は、休む間もなく強敵を迎え撃つことになった。

 会場の歓声が悲鳴に変わった。試合後、引き揚げようとしたオカダとCHAOSの仲間たちが、次々と鈴木軍の襲撃を受けた。場外で痛めつけられたオカダは、リングに引きずり上げられた。そこで待っていたのが鈴木みのるだ。中央で裸絞めをされ失神。さらに、鈴木の必殺技パイルドライバーで、大の字に伸びた。

 鈴木はオカダを踏みつけながら「オレたちが来たからには、ここもオレたちのリングだ。これから、何もかもすべて奪い取ってやる」と宣言した。前日、オメガとの死闘で守りきったIWGPヘビー級のベルトも、踏みつけられた。後藤のNEVER無差別級ベルト、石井と矢野が持つIWGPタッグ王座のベルトも、すべて鈴木軍に足蹴(あしげ)にされた。

 この日の入場では一番の声援を浴びた。それが、約15分後には地獄に変わった。新日本の顔となったオカダは、15年1月から丸2年にわたりノアを侵略し尽くした鈴木軍の格好の標的となった。鈴木軍は、新日本の全ベルトの強奪を宣言。「新日本を背負って戦う」というオカダは、新日本侵略をたくらむ新たな敵・鈴木軍を迎え撃つことになる。【桝田朗】