WBA世界スーパーバンタム級タイトル戦の調印式と記者会見が7日、大阪市内のホテルで行われ、同級王者ネオマール・セルメニョ(37=ベネズエラ)が唐突に、勝てば同級3位亀田和毅(25=協栄)と対戦する可能性を公表した。踏み台にされるわけにはいかない挑戦者の同級8位久保隼(27=真正)は「自分のボクシングを貫き通すだけ」と闘志を新たにした。

 王者のひと言が会場をざわつかせた。「勝利の後に伝えたい人は?」と聞かれ「神に感謝したい。その後で亀田和毅と話をしたい」。世界戦の会見で、王者がその先に予定する試合に触れるのは極めて異例だ。

 王者のブレゼル・マネジャーによると、正式オファーではないが、打診はあったという。失礼な発言とも受け止められても仕方ないが、久保は「僕には関係ないんで」。代弁するように山下会長が「こっちが勝てば何の交渉もない。間違いなく倒すよ」と気合を込めた。【実藤健一】