同級2位井上岳志(27=ワールド)が7回TKO勝ちで新王者となった。同級1位斉藤幸伸丸(38=輪島功一)との決定戦で、2回からガードを固めて左ボディーからの右ストレートでペースをつかむ。6回から強打を浴びせると、7回1分10秒にレフェリーストップでのTKO勝利となった。

 初回は、7回目のタイトル挑戦となった斉藤に守勢となった。「2回からはしっかりガードを固めて、左ボディーがよかった。嫌がっている感触があった」と手応えを得ていた。前王者野中の返上で1カ月半前に初のタイトル挑戦が決まった。「試合まで短いな」と不安もあったが、今回は後援者の会社でのアルバイトを1カ月前から休んでボクシングに集中した。「休んで気持ちをうまく作れた」と感謝した。

 駿台学園で国体優勝、法大で全日本と国体準優勝した。警察官に内定していたがケガで取り消しとなると、同じ高校、大学の先輩でともに主将だった斎田会長が救い手を差し出した。「最低東洋王者にまでしてみせる」。プロ11戦目でまずは日本王者となり「ベルトを巻いて実感がわいた」と静かに話した。