ボクシングWBC世界バンタム級5位・井上拓真(22=大橋)が、前日本スーパーバンタム級王者でWBC世界同級4位の和気慎吾(31=FLARE山上)との緊張感あふれるスパーリングを披露した。

30日に東京・大田区総合体育館で、同級暫定王座決定戦で拳を交える同級2位ペッチ・CPフレッシュマート(25=タイ)を想定し、世界挑戦経験もある長身サウスポーの和気と4回のスパーリングを消化。左フックや右ストレートの強打やロープ際に追い込んで連打も繰り出した。

逆にロープ際に追い込まれ、連打を受けた際には右アッパーを繰り出して対処するなど、左構えのペッチ対策が進んでいることをうかがわせた。井上拓は「やりたいことができている。収穫はありますね」と笑顔。父真吾トレーナーも「今日はダメージを与える強いパンチが出せていた」と及第点を出した。11日に続き、2回目の練習パートナーを務めた和気も「(連打を)まとめるのがうまい。経験したことがないまとめ方で詰めのうまさは相当なもの。自分のいい経験になった。(井上拓にも)役立ってくれればいいと思いますね」とエールを送った。

先月には、同じく長身サウスポーの前IBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)ともスパーリングしたこともあり、井上拓は「手応えはありますね。あとは体調管理に気をつけたい」と気持ちを引き締めた。心身ともに緊張感のある井上拓の調整ぶりに、所属ジムの大橋秀行会長は「また30日に世界王座を奪う確率が高くなったといえるスパーリング内容だった」と満足そうな表情を浮かべていた。