大阪府警刑事特別捜査隊などは17日までに、強盗の疑いで、いずれも近畿大(大阪府東大阪市)経営学部2年生で、ボクシング部に所属する19歳の学生2人を逮捕した。

 同隊によると、大阪市と東大阪市では5月初旬から、深夜や未明に若い自転車に乗った2人組の男が通行人に因縁をつけ、顔や腹を殴って現金を奪う事件が相次いでいた。2人は「ほかにも10数件やった」と供述しており、裏付けを進める。

 逮捕を受け、近大はボクシング部の活動を無期限停止にしたと発表した。ボクシング部は大学日本一を決める全日本大学王座決定戦で11回優勝するなど強豪で知られる。

 逮捕容疑は6日午後10時ごろ、東大阪市衣摺2丁目の路上で、自転車に乗っていた近大2年の男子学生(20)に「さっき当たったやろ、治療費払え」と因縁をつけて腹などを殴り、現金約7000円を奪った疑い。

 同隊によると、「生活費が欲しかった。食料品購入やパチスロに使った」と容疑を認めている。

 近大近くの現金自動預払機(ATM)などで、事件で奪われたキャッシュカードを使って現金を引き出す姿が防犯ビデオに写っていたことから、2人を特定した。

 近大によると、2人は同じ高校出身。高3時にボクシングでインターハイに出場し、スポーツ推薦で入学した。

 ボクシング部の浜田吉治郎総監督(66)は「2人とも明るく快活で、練習はほとんど休まなかった。見抜けなかったことに責任を感じている。申し訳ない」と謝罪した。

 近大は17日付で懲罰委員会を設置。今後、2人を無期停学とし、起訴されれば退学処分にする予定。(共同)