<DDT:ディック東郷国内引退興行>◇30日◇後楽園ホール◇1721人

 「レスリングマスター」ディック東郷(41)が国内最終試合を行った。10年4月に「一番いい時に引退したい」と、1年後の国内での活動を終えることと、さらに1年後に引退することを発表していた。

 ユニバーサルでデビューし、みちのく、米WWF(現WWE)、大阪プロ、フリー、スーパークルー、DDTなど、20年間で国内外の様々な団体を渡り歩いてきた東郷らしく、今大会には12の団体とフリー合わせて33選手が参戦。試合以外でも多くの選手、関係者が会場に訪れ、東郷の最後の勇姿を見届けた。

 日本最後の試合は師匠外道(42=新日本)と初のシングルマッチ。20年間のすべてをぶつけ、代名詞でもあるペディグリー、ダイビングセントーンの必殺フルコースで勝利した。外道に「オレの中で過去、現在、未来において、ベストなレスラーだった。ありがとう」と声をかけられた東郷は「自分は外道さん、邪道さん、デルフィンさん、サスケさん、この4人が先輩じゃなかったらこの場にはいなかった。本当にいろんな人に恵まれてきたと思う。ファン、選手、両親、そして最後の所属であるDDTの高木三四郎社長、本当にありがとうございました」と感謝し、日本最後のリングを後にした。

 東郷は8月には海外引退ツアーをスタートさせ、約20カ国を回って1年後にボリビアで引退試合を行う。