<栗原あゆみ引退興行>◇4日◇後楽園ホール◇観衆1813人

 人気女子プロレスラー栗原あゆみ(29)が、満員札止めのファンに見送られ、入門から10年間、現役生活8年間のマット生活に別れを告げた。

 第1試合で弟子の飯田美花とのシングル戦を制した後、メーンの6人タッグが最後の試合となった。師匠のAKINO、弟子の飯田美花との3世代タッグで、アジャ・コング、GAMI、中川ともか組と対戦。GAMIのメガホン攻撃などコミカルな試合展開となり、栗原へのトレイン攻撃ではセコンド陣だけでなく、引退を見届けにきたスターダムの高橋奈苗、風香GM、OZアカデミーのダイナマイト関西ら出場予定のない選手までが参加。会場を爆笑させる楽しいプロレスが展開された。

 それでも最後は現役中「越えるべきカベ」と目標にしてきたアジャと全力ファイト。相手の重い裏拳に何度もマットにたたきつけられながらはい上がり、最後は周囲のアシストからヘッドバット、必殺の裏投げで3カウントを奪った。

 引退セレモニーも、次々にリングに上がる関係者や先輩、同期、後輩らに笑顔を返した。「試合が終わってもまだ引退の実感がないんですが、今はとても幸せな気持ちです。とても弱っちいレスラーの私が入門から10年間やれたのは周囲の支えとあきらめない気持ちがあったから。人生の宝物になります」と、最後まで涙はなく、さわやかな笑顔でリングを去った。

 今後はプロレスに関わる仕事はせず、保育士の資格を取るという。