<WBC世界ライト級選手権12回戦>◇米ネバダ州ラスベガス

 世界的なスーパースターでもあるマニー・パッキャオ(29=フィリピン)が、東洋人初の4階級制覇を達成した。28日(日本時間29日)米ラスベガスでWBC世界ライト級王者デビッド・ディアス(米国)に挑戦。開始から終始圧倒し、9回2分24秒KO勝利した。

 初回から速射砲のようなパンチを放ち続けた。2回にはディアスの鼻の上部、3回には右目上をカットさせた。その後も、自らのトランクスが返り血で染まるほど、相手の顔面を血だるまにした。9回、カウンターの左ストレートが相手のあごを打ち抜く。前に崩れ落ちたディアスはしばらく立ち上がれなかった。

 「最高に幸せな気分だ」。パッキャオはコーナーポストに乗って両手を上げた。10年前、母国フィリピンでフライ級(50・8キロ以下)の世界王者になった。その後、米国に進出、攻撃的なスタイルで実力者を倒し、今年3月には3階級制覇を達成。1試合5億円以上のファイトマネーを稼ぐほど富も得ていた。この日はフライ級より10以上重いライト級(61・2キロ以下)の初戦だったが、一方的な展開で東洋人初の4階級制覇を達成し、歴史に名を刻んだ。パッキャオの戦績は47勝(35KO)3敗2分け。