今年大みそかの「Dynamite!!」(さいたまスーパーアリーナ)で、桜庭和志(39=LAUGHTER7)と田村潔司(39=U-FILE

 CAMP.com)の対戦がついに実現する。12日、都内での会見で発表された。これまで何度も対戦話が浮上しては消えたカードで、桜庭は会見場で「時間無制限、素手で」という仰天ルールを要求。結論は先送りされたが、因縁対決を前に並々ならぬ決意を見せた。またライト級ワンマッチで、DREAMライト級初代王者ヨアキム・ハンセン(29)がJ.Z.カルバン(25)と対戦することになった。

 桜庭が突然、田村に仰天ルールの提案を突きつけた。「時間無制限で、素手でやるというのはどうでしょうか?」。いわばガチンコの殴り合い、ケンカそのものだ。これに田村は「僕の一存では決められません」とかわすのが精いっぱい。桜庭は「田村さんの一存で決まると思います!」と詰め寄った。

 因縁に決着をつける桜庭の決意の現れだ。同学年ながらプロとしては田村が先輩、UWFインター時代には練習をともにし、同じ釜の飯を食ってきた。それが、96年の団体解散前後にたもとを分かつ。PRIDEで桜庭は再三、田村に対戦要求をするも、実現には至らなかった。桜庭にとって田村は、越えなければならない壁だった。

 桜庭は「緊張感を持った試合をしたい」と続けた。総合格闘技が根付き始めた当初は、文字通り「何でもあり」の戦いだった。だがテレビ放送がつき、競技としてグローブなどのルールが整備されるにつれ、迫力不足となってマンネリ化したことを憂慮。原点に戻って「本物の戦い」を見せようというのだ。田村に「(素手で)顔面(パンチ)あり?」と尋ねられると、「あり!」と即答した。

 これに対して笹原イベントプロデューサー(EP)は前向きだ。「テレビ放送があることで(時間的にも内容的にも)制限はあると思う。だが、考えたい」。2人の因縁対決を、盛り上げたい意向を示した。今年の締めくくりは、格闘技の原点「倒れるまで殴り合い」になるかもしれない。【山田大介】