全日本の武藤敬司(45)が7年ぶりに最優秀選手賞を獲得した。08年プロレス大賞選考会議が9日、都内の日本プレスセンターで行われた。

 4月には新日本のIWGPヘビー級王座を獲得し4度防衛し、9月にはグレート・ムタとして全日本の3冠ヘビー級王座を獲得。史上2人目のIWGP、3冠の両ヘビー級王座同時保持の活躍が評価され、4度目の受賞となった。授賞式は17日、都内のホテルで行われる。

 31人の選考委員の内、1次審査で28人が推薦する圧倒的支持を受け、武藤が4度目のMVPに輝いた。45歳11カ月での受賞は昨年のノア三沢光晴(46)を6カ月上回る史上最高齢。この日、都内の事務所で会見した武藤は「若いやつが突き上げてこないと、という気持ちはある。でもプロレスに年は関係ねえからな」と晴れ晴れとした表情を見せた。

 団体の社長としても充実した1年だったことは受賞リストが証明した。最優秀タッグ賞が鈴木みのる、太陽ケア組、ベストバウト賞は11月3日、全日本両国大会のノア丸藤正道-近藤修司戦と全日本が絡んだ。武藤は「非常にうれしいのは、うちのリングに携わった選手が受賞したこと」と振り返った。11月16日には22年ぶりの台湾興行を成功させた。会場では約1万人の台湾のプロレスファンから大声援を受け、新たなマーケット開拓に手応えを得た。

 今年獲得した2タイトルで、総獲得タイトル数34は、故ジャイアント馬場さんに並び日本人レスラー最多タイとなった。「馬場さんの時代とは環境が違うからなあ。昔の思い出は超えられないから比較しても仕方がない。でも来年だろうが再来年だろうが、攻める姿勢は貫くよ」と、1レスラーとしても、団体社長としても馬場さん「超え」に意欲を見せた。【塩谷正人】