WBC世界フェザー級王者粟生隆寛(25=帝拳)が、7人の世界王者のエキスで初防衛を期す。13日に会場となる東京・後楽園ホールで計量に臨み、リミットの57・1キロでパスした。指名挑戦者の同級1位エリオ・ロハス(26=ドミニカ共和国)は56・4キロ。いきなり強敵との初防衛戦に向け、粟生はすべての面でレベルアップへ、世界王者を教材に強化してきた。25戦オールKOのエドウィン・バレロ(27)ら7人。その集大成をリングで披露し、ベルトを死守する。

 粟生はヒョウ柄のパンツではかりに乗った。57・1キロのリミットでパス。体温は37・4度と高め。夏場の計量の苦しさを示していたが、試合前最後の難関を無事突破した。「ヒョウ柄?

 獣のように」と、笑みを浮かべて答えた。

 やり残しはない。ロハスは01年世界選手権銅メダリスト。高校6冠の粟生とはレベルが違うトップアマだった。自らあえて選んだ強敵撃破へ、精力的に練習を積んできた。何しろ世界に名だたる7人の世界王者を教材に練習してきた。「すべては無理だが、できることは少しでも参考にしたい」。

 強打者バレロからは左ボディーを参考にした。効果抜群。スパーリングパートナーを何度もダウンさせた。デラホーヤを引退させた、全階級で最強と言われるパッキャオからは右フック。浜田代表は「右の使い方がカギ」と見る。必ずや「パッキャオ・フック」が威力を発揮するはず。長谷川とは1週間練習した。「あの連打はまねできない」と見るや、連打のスタミナアップ練習を取り入れた。

 粟生はビデオはほとんど見ず、自分のボクシングを心掛けてきた。それが変わった。自らを少しでも高め、トップに立とうという意欲が表れた。「ベルトを守って王者。これに勝たないと意味ない」と話し、吸収した7人の世界王者のエキスを初防衛へと実らせる。【河合香】