ハッスルが消滅危機だ。プロレス、総合格闘技、キックボクシングを柱とした新団体「スマッシュ」を立ち上げた「クォンタムジャンプジャパン」の酒井正和社長(43)はハッスルと提携関係にあり、最高顧問にも就任していた。しかし、8日、同顧問の辞任を発表。TAJIRIらハッスルの所属4選手を、新団体が引き継ぐ形で獲得した。

 酒井社長は「今のハッスルには諸問題が重なっている。選手も中ぶらりんになっている。これではコンテンツの継承ができない」と説明した。ハッスルでは、昨年5月に人気キャラクターのインリン様が引退。今年7月には高田総統も引退し、さらに興行収入が減少した。過去の所属選手らへの未払い問題も決着しておらず、財政的に苦しい状態が続いていた。

 ハッスルの山口日昇社長もこの日、25日に予定していた「ハッスルマニア」を来年に延期することを明らかにした。一方で、「来年3月から新興行を打つ方向で動いています」と、消滅については否定。だが、所属選手ゼロの状態で本当に続けられるのかどうか。極めて厳しい状況に追い込まれたのは間違いない。