<K-1

 WORLD

 GP>◇3日◇神奈川・横浜アリーナ◇1万153人

 ヘビー級王者・京太郎(23=チームドラゴン)が「ミスターK-1」を衝撃のKOで撃破し、初防衛に成功した。1回に速さ十分の右ショートフックでGP3度制覇を誇るピーター・アーツ(37=オランダ)からダウンを奪うと、2回には再び速い右フックで顔面を打ち抜いて再びダウンを奪取。1分56秒のKO勝利で武蔵以来、日本人では2人目の「アーツ超え」で日本人新エースの役目を果たした。また3月23日に急逝していた祖母妃沙子さん(享年72)にささげる白星にもなった。

 アーツの懐に入った京太郎の右腕がうなった。1回にショートフックで顔面を打ち抜き、1万153人の観衆を騒然とさせた。2回、フラフラのアーツを見逃さなかった。不用意に出てきた敵に再び右フック。前のめりで倒れる「ミスターK-1」の目前で仁王立ちした。2回1分56秒、KO勝利での王座初防衛を成功させるとリングサイドで応援する母雅代さん(46)のもとに駆け寄り、遺影もってリング上で掲げた。

 京太郎が涙ながらに絶叫した。「一番、応援してくれたおばあちゃんが亡くなりました。どうしてもおばあちゃんのために勝ちたかった」。2週間前、畑仕事の途中で祖母妃沙子さんが脳内出血で倒れた。病院に搬送されたが、人工呼吸器を離せず、意識不明の状態。一報を聞いた京太郎は実家に戻って祖母を激励したが、帰京した夜に他界していた。「試合で通夜にもいけなかった。負けていたら顔向けできない。これで墓前で顔を向けて勝利が報告できる」と号泣し続けた。

 試合直前、15年間も日本ヘビー級を引っ張った武蔵が引退セレモニーを行い、後を託された。練習仲間の長島☆自演乙☆雄一郎がMAXで優勝したことも刺激だった。京太郎は「カウンセラーの先生に『あなたは相手の気持ちが分かる』と言われた。試合中にアーツが効いていることが分かった。今日はみんながボクを王者にしてくれた」と感慨に浸った。リングサイドの武蔵に駆け寄ってあいさつ。武蔵がリングを去った日、京太郎が日本人エースの称号を不動のものにした。【藤中栄二】