<Dynamite!!>◇12月31日◇さいたまスーパーアリーナ

 石井慧(24=アイダッシュ)が、3月にも米総合格闘技ストライクフォース(SF)に参戦することが12月31日、濃厚となった。SFのスコット・コーカーCEOがDynamite!!を視察し、石井に参戦オファーする方針を固めた。石井はジェロム・レバンナ(38=フランス)戦で、本物の打撃と体格差に苦しめられながらも3-0の判定勝利。試合後は米挑戦に前向きな姿勢を示した。

 石井に笑顔はなかった。「K-1番長」レバンナの左ストレート、ワンツーの強打に苦しんだ。両腕で敵を捕獲。足技でテークダウンを奪い、左拳でパウンドを放った。腕固めも仕掛けた。KO勝ち寸前まで迫ったが、1本を奪えなかった。3-0の判定勝利。だがKOを奪い切れない展開に、大きなブーイングを浴びた。

 石井は「予想以上にレバンナ選手が寝技がうまかった。自分の肩にも力が入りすぎた。もっとリラックスしないとヘビー級ではやっていけない。ブーイングは応援の裏返しで期待していただいている。KOか1本で勝ちたい」と厳しく自己評価した。

 石井にとっては不満な勝利だが、試合視察していたSFのコーカーCEOは強い興味を示していた。SF関係者によれば、石井のチェックが来日の主要目的だった。早ければ今年3月の同団体の興行へ参戦オファーする方針を固めたという。同関係者は「石井選手には近々、SF参戦のオファーを出すでしょう。あとは石井選手サイドの意向次第です」と明かした。

 SFは今年からヘビー級活性化の動きがある。2月からヘビー級のトーナメントを予定。参戦選手の顔ぶれも豪華になりそうだ。現SF世界ヘビー級王者オーフレイムをはじめ、元UFCヘビー級王者アンドレイ・アルロフスキー、旧PRIDEヘビー級王者ヒョードルらの名前が挙がる。いきなり石井がトーナメント入りすることはないが、同じ団体でファイトすることになれば、強豪と対戦する流れになるのは確実だ。

 レバンナ戦後、石井は「試合のオファーがあれば、どこでもやりたい」と国内外問わず、戦いの場を求める姿勢を示した。昨年9月から主戦場としているDREAMとも専属契約を結んでいないため、SF参戦への障害も少ない。今春には日本マットだけでなく、米国のケージで活躍する勇姿が見られそうだ。石井は「ヘビー級にはアリスター選手とか強い選手がたくさんいる。彼らよりも、もっともっと練習しないといけない」と、自ら信じた最強の道を突き進むことを再確認していた。