<プロボクシング:WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇11日◇神戸ワールド記念ホール

 歴史を塗り替えた。プロ7戦目で世界初挑戦したWBC世界ミニマム級10位の井岡一翔(21=井岡)が、王者オーレドン(25=タイ)と対戦。2度のダウンを奪い、5回1分7秒TKO勝ちした。辰吉丈一郎、名城信男の持つ世界王座獲得の国内最速記録(8戦目)を更新した。元世界2階級王者・井岡弘樹氏(42=井岡ジム会長)を叔父に持つボクシング界のサラブレッドが、夢の頂点に立った。

 井岡の父一法さんは「作戦通り」と胸を張った。40戦無敗だったオーレドンのカウンターを警戒し「常に中央におびき寄せろ」と指導。相手がパンチ直後に上体が伸びる癖を見抜き「そのタイミングでボディーを狙え」の作戦が見事に的中した。1階級下の世界戦で減量に苦しみ「フライ級でやりたいくらい」と言うが、今後は1~2度の防衛戦を考える。「一翔は『ここからスタート』やろ。次は6月くらいに」と話した。