全日本は17日、毎年3月恒例の両国大会を予定通り、21日に開催することを発表した。11日に起きた東日本大震災の影響で、各プロレス団体などが都内での興行を延期、自粛する中、災害からの復興を目的として決断した。同団体は「関係各所と協議を続けた結果、最終的に会場(両国国技館)の安全が確認され、開催許可が出た」と説明した。

 選手の熱意も開催を後押しした。選手たちは11日、大会を行う予定だった宮城県石巻市で被災。津波などの被害の影響で大会は延期になったが、地元の被災者に「またプロレスを見せに来てくれ」と励まされ、会社に開催を直談判していた。内田雅之取締役は「世論との板挟みは覚悟の上」と話し、警察や消防、会場と話し合いを重ねていた。会場では非常用の電源車や、避難用のバスなどを準備。可能な限り災害に備え、最終判断を待っていた。

 大会は震災復興を支援するチャリティー大会として行われる。試合当日は出場選手らが会場で募金活動を行うほか、団体も収益金の一部を日本赤十字社を通じて被災者へ寄付することを決めた。