<新日本:G1クライマックス>◇2日◇福岡国際センター◇A、Bブロック公式戦など◇4500人

 開幕黒星スタートのIWGPヘビー級王者・棚橋弘至(34)が外敵・高山善広(44)に勝って、初白星を挙げた。11分57秒にハイフライフローから片エビ固めで勝った。7年ぶりにG1に参戦してきた“プロレス界の帝王”高山を相手に、王者として成長した姿を見せつけた。

 棚橋と高山のシングル対決は04年2月以来、7年半ぶり2度目。前回も棚橋が勝利を収めたが、回転エビ固めで丸め込んでのフォール。高山は当時すでに外敵として、IWGPヘビーとIWGPタッグを制してトップに立っていた。棚橋は中邑、柴田とともに新闘魂三銃士と呼ばれていたが、蝶野、永田、天山に次ぐ2番手グループだった。その後、06年にIWGPを初戴冠して、新日本のエースに成長した。

 棚橋は高山のニーリフト、岩石落とし、原爆固めに耐えた。逆にスプリングブレイドからハイフライフローを連発して完勝。外敵退治とともに、4年ぶりのG1制覇へ1歩踏み出した。「帝王撃破!

 7年ぶりの戦いで“帝王感”を感じたけど、おれの持っている“逸材感”が上回った」と笑顔。「イーブンだけど、これで気持ち的には白星先行。突っ走って、G1、おいしいところ全部、いただきます」と優勝を見すえていた。【小谷野俊哉】