来月1日の東京・後楽園大会でデビュー100戦目を迎えるゼロワンの橋本大地(19)が、本格的な肉体改造を始めた。元日にシングル初勝利を挙げた橋本だが、8日の長州力(60)との一騎打ちで体力不足を痛感して決意。遠い夢である中邑真輔(31=新日本)が持つIWGPヘビー級王座最年少戴冠記録23歳288日ヘ向けて歩み出した。

 きっかけは長州戦だ。還暦のレジェンドに力の差を見せつけられて敗れた。橋本は「あらゆる面で差があった。技術もだけど、体力でも負けた。体をもっと大きくしないと通用しないと痛感させられた」と振り返る。昨年3月のデビュー時に80キロだった体重は、現在82キロ。「これを今年中に90キロにする。ただ太るだけじゃ意味がないし、ただ筋肉をつけるだけじゃ駄目。重くて強い体をじっくりと作り上げます」と言う。マシントレーニング、食事、プロテインの取り方を先輩の日高郁人(39)に学び、王者の体を手に入れる。

 「さらに1年後には100キロを目指す」。その先にあるのがIWGPヘビー級王座の史上最年少戴冠。まだシングル1勝のグリーンボーイがこだわるのは、中邑の前は亡き父真也さんが28歳79日の最年少記録を持っていたからだ。師匠・大谷晋二郎(39)も「大地の輝ける場をつくるのが俺の仕事」とバックアップする。技術的面でも未熟さを痛感している。「道場でスパーリングをすると、自分が一番弱い。自己満足で終わらずに、もっと頑張らないと」と引き締める。中邑と並ぶタイムリミットは16年1月26日、あと3年と363日だ。【小谷野俊哉】