初代タイガーマスク佐山聡率いるストロングスタイルプロレス(SSPW)の8・27後楽園ホール大会に、マリーゴールドの天麗皇希(29)が初参戦し、若菜きらり(20=アイスリボン)と戦う。
クラシックバレエ、音楽、ダンス、舞台女優という異色の歩みを経て、プロレスにたどり着いた皇希。昨年は左膝前十字靱帯断裂と左鎖骨骨折に見舞われ、2度の長期欠場を経験したが、現在は後藤智香との「tWintoWer」でツインスター王座を保持する。SSPWでは何を見せてくれるのか。皇希が意気込みを語った。
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-SSPWの会見に初めて出席しました
「普段のマリーゴールドの会見とは雰囲気が違ったので緊張しました。マリーゴールドでは顔見知りの記者さんが多いですし、隣に(ロッシー)小川さんが座っていることが多くて安心感もあるんです。今回は知らない方も多かったですし、自分の所属団体以外の会見に出ること自体も初めてでした。他団体参戦も昨年9月以来なので、どんなことを言おうかなという緊張がありました」
-初参戦ですがSSPW自体はこれまでも会場でご覧になっていたそうですね
「ご縁があって会場へ見に行く機会は多かったです。女子だけの大会とも、男子の大会ともまた違う雰囲気がありますよね。昔からプロレスが好きな方が多いのかなという印象があって、お客さんの間に不思議な団結力を感じます」
-そうやって試合だけでなく、客席の雰囲気も見ているのですか
「私は試合を見ながら、演者目線でお客さんのことも見てしまうんです。無意識なんですけど、『今日のお客さんはちょっと硬そうだな』とか、試合が進む中で『お客さんはこのカードをすごく楽しみにしていたんだ』と分かったり。最初は硬かったお客さんのテンションが上がっていくのを感じたりするのが好きなんです」
-それはやはり舞台をしていた経験が、そうした目線に繋がっているのでしょうか
「どうなんでしょう。でも、お芝居をやっていた時は、ここまでお客さんを意識していなかった気がします。芝居は台本の流れに沿って板の上にいる人同士で会話をしていくものなので。もちろん楽しんでもらいたい気持ちはありますけど、プロレスは会場を巻き込み、全員で作り上げていくものだと思います。なのでどちらかというと、舞台より歌のライブに近いかもしれません。ライブではお客さんの乗り具合を見て煽ったり、『ちゃんと見てるよ』とアピールしたりするので。ただ、ライブも歌詞や振り付けは決まっているので、そう考えるとプロレスはもっと双方向の表現なんだと思います」
-皇希選手はバレエなど様々な表現活動を経た後プロレスラーになっています
「舞台上で戦うアクションをやりたかったんです。それがきっかけでプロレスをかじり始め、たまたまプロレスに出会ったという変わった入り方でした。最初からプロレスラーになりたかった訳ではありません。生で初めてプロレスを見たのも6年ぐらい前です。先輩に招待してもらったんですけど、その先輩以外の選手は誰も知らないし、ルールも全然分かりませんでした。フォールは3カウントなのに、ロープ際では『1、2、3、4』と数えてる。『さっきは3で終わったのに、なぜこれは4まで大丈夫なの?』というレベルでした(笑い)」
-小さい頃からプロレスを見て、レスラーを目指してきた選手とは全く成り立ちが違いますね
「引き出しの少なさを感じることはあります。同い年の選手が20年見てきたとしたら、私はその4分の1しか見ていない。その差はどれだけ時間を使っても埋まらないじゃないですか。しかも、子どもの頃に見たものと大人になってから見るものでは受け取り方が違います。でも、そこにとらわれすぎなくていい、自分なりにやっていこうと思うようになりました」
-逆に、他の選手が積んでいないプロレス以外の経験が役に立つこともあるのではないですか
「最初の頃は『プロレスをしなきゃ』という固定観念にとらわれていました。でも、自分の経験に置き換えてみると、演劇やライブに通じるところがたくさんある。今までやってきたことは意外と全部繋がっているんだと気がつきました。今は前より自然体です。プロレスにとらわれすぎないようにしようと思ってから、自分自身も楽しめるようになりました」
-SSPWにはどんなイメージを持っていますか
「女子のストロングスタイルといえば、Sareeeさんのイメージが強かったです。でも、自分も打撃をやり合う試合はありますし、打撃や気持ちの強さをぶつけ合う試合も面白いんじゃないかと思っています」
-会見で若菜選手と対峙してどう思いましたか
「自分に足りないのはガムシャラさだと思っていたので、若菜選手の『打たれ強く、勝利への執着心がとてつもない』という言葉を聞いて驚きました。以前は『綺麗なプロレスをし過ぎている』と言われることもあったんですけど、でも最近、特にベルトを獲ってからは技を受けて、受けて受けて、それでも勝つ先輩の姿を改めてカッコいいと思うようになりました。私もMIRAIさんとチョップと打撃でやりあった試合があって、その時は絶対負けない、意地でも倒されないという気持ちでやっていたんですけど、そういう部分が若菜選手に“勝利への執着心”に見えたのかもしれません」
-自分では無いと思っていたガムシャラさや気持ちが試合で出てきたことがあったと
「膝をケガした試合(25年1月)でも、止められそうになった時、内心『うるせえ、フザけるな』と思って、そのまま試合を続けたんです。後から振り返って、『私にこんな一面があったんだ。私って意外とプロレスラーなのかも』と思いました」
-しかしそのケガを乗り越え復帰した後、今度は左鎖骨を骨折してしまいます(25年9月)
「昨年は絶望しかなかったです。5月に膝のケガから復帰しても、またケガをしたらどうしようという不安の中で試合をしていました。それで9月に吹っ切って、『今日は楽しんでやるぞ』と思った日に鎖骨を折ってしまった。痛み以上に『また欠場になるんだ』と気づいた瞬間が悔しくて、涙が出ました。今年1月に復帰してからもしばらく気持ちは上がりきらなかったんですけど、後藤智香とtWintoWerを再結成してから上向きになって、最近やっと『またプロレスが楽しいかも』と思えるようになりました」
-今大会では重要な役割を担う第1試合を務めます
「第1試合がその日の空気を作るところがあるので、私の中ではメインよりもプレッシャーがあります。私は初参戦で、お客さんの多くは初めて私を見ると思います。私というプロレスラーを見ていただける貴重な機会なので、そこで自分らしさをしっかり魅せて、結果も残したいと思ってます」
-若菜選手は小柄な体格を活かしたスピード勝負を予告しています
「若菜選手とは歳の差が9歳あってスピードや勢いをぶつけてくるだろうと思います。でも私はツインスター王者ですし、若さや勢いはもちろん、どこまで彼女の技を受けて、最後に立ち上がって勝てるか。それが今回のテーマで、マリーゴールド代表として戦います」
-皇希選手が考える“ストロングスタイル”とは
「先ほど言ったように、私は受けて受けて、その先で勝つプロレスをしたいんです。耐えて、もうダメだと思われたところからまだ立ち上がる、受けても絶対に心を折られない。それも一つのストロングスタイルだと思っています。今は蹴られても、『膝をケガした時、鎖骨を折った時より痛くない。どうってことないな』と思えるようになって、そういう意味ではケガをした経験も自分の力になっているのかもしれません」
-それでは最後に、ファンの方たちへメッセージをお願いします
「若菜選手は若くて勢いがあるかもしれないですけど、私には9年分の人生の厚みがあると思ってます。今までの人生で経験してきたものを全部リングにぶつけます。翌日からドリームスターGPが始まるので、ここで勝ってリーグ戦に繋げたいです。私はよく『顔だけ』と言われるので、『顔だけの選手じゃないぞ』というのを、今回の試合で証明できたらと思います」

