WBA世界ミニマム級王者の八重樫東(29=大橋)が「小さな鉄人」とのスパーリングでレベルアップを証明した。WBC王者井岡一翔との統一戦(6月20日、大阪・ボディメーカーコロシアム)に向け21日、横浜市内のジムで日本同級1位の原隆二(21)と本格スパーリングを再開した。

 ジムの後輩で身長155センチの原は5日のプロ12戦目の直前に時速50キロの車と衝突。事故車は廃車になったが、奇跡的にかすり傷で済んだ。当日の試合もタイ人に6回TKO勝利。164センチの井岡とは身長こそ違うが、頑丈でスピードある「小さな鉄人」はパートナーに最適だった。

 八重樫は「頑丈だから、どれだけ殴っても壊れない」と何度も連打でコーナーに追い詰めた。1日2000回の腹筋を敢行した静岡・伊東合宿を経て、さらにパワーは増加。大橋会長からは「(932年ぶりの)金環日食のような貴重な選手になりつつある。1カ月後の本番が楽しみ」と絶賛された。【田口潤】