ノーモア・プロ転向問題-。日本アマチュアボクシング連盟の山根明会長(73)は3日、アマチュア選手がプロ入りする際の規定作りを進める考えを明かした。ロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(27=東洋大職)のプロ転向問題を受け、「5、6カ月のうちにプロ側と紳士協定を結ぶべきじゃないか」と話し、プロ側とも協議した上で対策を施す考えを示した。

 アマ側としては、村田のように多額の海外遠征費などを出費して育てた選手が、今後も引き抜かれるような形でプロに転向されれば「感情問題になる」(山根会長)と不安視する。プロ転向時に強化費という形でプロ側からアマ側に寄付金を送る案も含めて検討に入る。

 山根会長は「プロで引退した後もきちっと就職できるように、そういうこともプロ側にはお願いしたい」と話した。同会長によると、日本プロボクシング協会の大橋秀行会長も、紳士協定を結ぶことについては考えが一致しているという。

 引退か現役続行かで揺れた末に結局、プロ転向の意思を示した村田に対する「引退勧告」は、この日の同連盟臨時総会で承認された。また、連盟の名称からアマチュアを外し、4月から「日本ボクシング連盟」に変更することも正式決定。村田を支援してきた東洋大ボクシング部・東郷武総監督の理事就任も決まった。【木村有三】