鮮烈なプロデビューを飾ったロンドン五輪男子ミドル級金メダルの村田諒太(27=三迫)が、11月にも国内で外国人選手とプロ2戦目に臨むことが確実となった。25日に東洋太平洋同級王者・柴田明雄(31=ワタナベ)に2回TKO勝ちした村田をサポートする帝拳ジム本田明彦会長(65)が26日、明かした。2戦目に備え、40日間にわたる米ラスベガス合宿で英才教育を受けるプランで、金の拳はさらなるレベルアップを図る。また村田は同日、都内のジムで会見に臨んだ。

 ミドル級で日本最強となる東洋太平洋王者を一方的な展開で倒した村田は、十分に「国内に敵なし」を証明したと言っていい。その衝撃的なプロデビュー戦を受け、村田育成で三迫ジムと協力関係にある帝拳ジムの本田会長は「2戦目は外国人選手になる」と明言した。村田に目立った故障がなく、顔も無傷のため、試合間隔を大幅に空ける必要はない。同会長は「テレビ局との調整もあるが、11月中に2戦目をやることになる」と明かした。

 村田にとってプロ転向後初の外国人との対戦になるため、当然、強化プランもレベルアップする。元世界6階級王者マニー・パッキャオ(フィリピン)が試合前、米ロサンゼルスで担当トレーナー、フレディ・ローチ氏のもと、45日間合宿を敢行する調整方式を導入。村田も米ラスベガスで40日間以上のロング合宿に臨み、外国人パートナーと数多くのスパーリングを積む方向となった。

 プロデビュー戦前も村田は2週間から1カ月程度のラスベガス合宿を3回行った。しかし合宿1回あたり40日間となると、ほぼ練習拠点はラスベガスが中心となる。村田は周囲の雑音をシャットアウトする「パッキャオ流」強化プランで英才教育を受け、2戦目に臨むことになりそうだ。

 村田自身も年内のプロ2戦目を希望していた。都内のジムで会見した村田は「体は良い状態を保っているし、成長する時はぐっと伸びるので休みたくないです」と、早期のマッチメークを期待した。プロデビュー戦は73キロ級契約体重だったが「次は72・5キロでも全く問題ないです」と、ミドル級リミットで戦う意欲も示した。11月にも予定される外国人とのプロ2戦目には、「40日間合宿」でさらに強くなった村田が見られそうだ。【藤中栄二】