総合格闘家・石井慧(26=I

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 RHINO)が「ヒョードル興行」で因縁の相手と激突する。10月20日、ロシア・サンクトペテルブルクで開催されるM-1チャレンジ42大会への出場が13日、決まった。今年2月に試合が中止となったジェフ・モンソン(42=米国)と対戦する。大会主催のM-1グローバルは、12年に引退したエメリヤーエンコ・ヒョードルが在籍し、運営に携わる。数多くの有名格闘家と対戦経験のある「歴戦の雄」と注目イベントで激突する。

 生活拠点の米ロサンゼルスで、石井は静かに燃えていた。11年大みそかに対戦して負けた旧PRIDEヘビー級王者ヒョードルが携わるM-1グローバル主催大会からのオファーに「自分が必要とされているというのはうれしい」と喜んだ。用意された対戦相手は今年2月、IGFのGENOME24大会で激突するはずだったモンソン。前回は相手側の腰痛で試合が流れており、石井にとっては因縁の相手となる。

 07年のPRIDE34大会で藤田和之を倒したモンソンは、ティム・シルビアやジョシュ・バーネットといった元UFC王者、ストライクフォースGP覇者ダニエル・コーミエ(すべて米国)ら強豪と対戦してきた経験豊富なベテランだ。11年11月にヒョードルとも対戦し、判定負けしている。ともにヒョードルにゆかりのあるファイター同士の対決となる。現在、バーネットとのスパーリングで調整する石井は「ヒョードルとも練習可能と聞いている。最終調整で力を貸してもらえればうれしい」と希望した。

 また石井の関係者によれば、M-1チャレンジ42大会はロシアのプーチン大統領が特に力を入れる世界武道格闘技大会(10月18~26日、サンクトペテルブルク)の「公開競技」として開催されるという。同大統領が大会を視察する可能性もある。ロシアでも注目を集める大きなイベントにメーン級で登場する石井だが「今の自分は劣等感の塊。劣等感を出して戦いたい」と気持ちを引き締め直していた。

 ◆世界武道格闘技大会

 五輪競技、あるいは五輪競技入りを目指す格闘技スポーツのトップ選手が集結する世界的祭典。第1回大会は10年に中国・北京で開催され、今回のロシア・サンクトペテルブルクで2回目。開催競技は合気道、ボクシング、フェンシング、柔道、柔術、空手、剣道、キックボクシング、ムエタイ、サンボ、サバット、相撲、テコンドー、レスリング、武術太極拳の15競技。