WBC世界バンタム級王者・山中慎介(31=帝拳)が19日、同級3位シュテファーヌ・ジャモエ(24=ベルギー)との6度目の防衛戦(23日、大阪城ホール)に向け、都内での練習を打ち上げた。合計127回のスパーリングを終え、万全の調整ぶりをアピール。地元・関西で行われる初の世界戦に備え、夜には決戦の地へ移動した。

 都内での練習を打ち上げた山中は、ジム関係者とがっちりと握手し必勝を誓うと、その表情は充実感で満ちあふれた。「仕上がりは文句ないですね。試合が楽しみ」。短い言葉に6度目の防衛と5戦連続となるKO勝利への自信がにじみ出た。

 最後のジムワークは左対策に費やした。右構えのジャモエが、左との「二刀流」を予告していることを受け、左構えで同門の元WBCフライ級王者・五十嵐を相手にスパーリングを敢行。減量中の苦しい時期にもかかわらず、当初予定していた2回終了時に、1回の追加を志願するなど軽快な動きを披露した。

 拳を交えた五十嵐は「ジャブがよく伸びるし、ボディーへのストレートも効きました。左は得意なんじゃないですか」と仕上がりを絶賛。山中も「左にスイッチして、自分よりうまいボクシングをされたらショック。やってもすぐに戻す気がしますけど」と余裕の笑顔を見せるなど、気持ちよさそうに汗をぬぐった。

 体重は、練習後の段階でリミットまで残り700グラムと想定通り。挑戦者が早期のKO決着を予告していることを聞くと、「もしかしたら早い(回で終わる)かも。どっちが早いかは分かるでしょ」と受けて立つ構えをみせた。心身ともに準備を整え、山中はゴングの時を待つ。【奥山将志】