ボクシングのWBA世界スーパーフェザー級王者内山高志(35=ワタナベ)が25日、大みそかの9度目の防衛戦に向けて都内のジムで練習を公開し、WBC同級王者三浦隆司(30=帝拳)との団体王座統一戦に前向きな姿勢を示した。11年1月の3度目の防衛戦で退けた相手の成長を認め、日本人王者同士のビッグマッチを歓迎した。

 内山が、期待が高まる三浦との統一戦を歓迎した。11年に8回TKOで下した相手。これまでは「向こうは負けているからモチベーションが上がるが、こっちの気持ちは高まらなかった」と再戦の意味を見いだせずにいた。だが、三浦が実績を積み上げ、成長を遂げたことで思いは変わった。「昔より実力は近づいていると思うし、面白い試合になると思う。今、やるとなれば自分のモチベーションも上がる」と言い切った。

 昨年の大みそか以来、1年ぶりのV9戦は強さを証明する場だ。22日には三浦が豪快なTKO勝ちでV3防衛に成功したばかり。映像を確認したという内山は「見る人は比較すると思うし、終わってみて『内山やっぱり強い』という試合をしたい」と力を込めた。

 9月に決まりかけた試合が相手の都合で流れるなど、試合間隔が空いたことで古傷の右拳の痛みも癒えた。サンドバッグで内山らしい豪快な衝撃音を響かせると「最近は右を打ち抜かないようにやっていたが、原点は右ストレート。拳さえ復活すれば、誰とやっても倒せる自信はある」と宣言した。日本を代表する強打者が、大みそかに健在ぶりをアピールする。【奥山将志】