<プロボクシング:WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇6日◇大阪市中央体育館◇観衆5742人

 亀田大毅(20=亀田)が、王者デンカオセーン・カオウィチット(33=タイ)に0-2の判定負けで王座獲得に失敗した。

 亀田興毅(22=亀田)はうなだれる弟に寄り添った。会場から車へ向かう道のり。とぼとぼ歩く大毅の肩を抱き、語りかけ続けた。手にしかけたベルトが幻と消えた無念さは痛いほど分かる。その傷を癒やそうと必死だった。

 今回、興毅は自分の試合以上に必死だった。「オレの試合以上にドキドキする。ホンマ、寝る時間を削ってきたからな」と話していた。8月は連日、深夜2時までパソコンに向かい、スケジュールや段取りを組んだ。試合直前には早めに大阪に乗り込み、マスコミ各社を回るなど「営業本部長」として奮闘。兄弟王者の夢実現へ走り回った。

 「90%以上、勝てる思うで」。今回の大毅の努力を知っているから、確信していた。世界初挑戦の内藤戦の前とは、まるで違っていたという。「前は相手をなめてたな。『すぐ終わるから大丈夫』言うてたし、練習も必死やなかった。でも今回は12ラウンドのスパーを2回。めっちゃ頑張ったで」。そんな努力を見てきた兄は、セコンドとして声を張り上げた。しかし、報われなかった。

 次は興毅が無念を晴らす。11・29、因縁の内藤戦。亀田家の思いすべてを背負い、内藤からベルトを奪いに行く。【実藤健一】