WBA世界フライ級王者亀田大毅(21)と元WBC同級王者で長兄の興毅(23=ともに東日本協会)が地元大阪で「前哨戦」を行うことが2日、決定的になった。7月25日に大阪・大阪府立体育会館の興行に、WBC世界ライトフライ級11位井岡一翔(21=井岡)と「トリプル世界前哨戦」として出場する予定で、対戦相手は調整中。元WBA世界フライ級王者坂田健史(30=協栄)との初防衛戦が決定した大毅は、その前にノンタイトル戦を行って大一番に備えることになる。

 亀田兄弟が再スタートの地に選んだのは、生まれ故郷の大阪だった。7月25日に大阪府立体育会館で行われる興行に、興毅と大毅がそろって出場することが決定的となった。関係者によると、両者ともにノンタイトル戦で、相手はメキシコ人ボクサーで最終調整に入っている。この興行には、若手のホープ井岡一翔が出場を予定している。世界戦が決定しているのは大毅だけだが、ほかの2人も含めて事実上の「トリプル世界前哨戦」と銘打たれる見込みで、近日中に正式発表される運びだ。

 これで、大毅は初防衛戦の前に1試合挟むことになる。WBAの入札が行われた末、9月下旬に坂田と関東地区で初防衛戦を行うことで交渉がまとまった。だが、それだと2月の王座奪取から約半年後となるため、実戦の間隔が空く。そのうえ、父史郎氏の「どう喝騒動」で4月上旬から亀田ジムが活動を自粛していたため、ジムワークができていない状況にある。だからこそ、うまく空いた期間で、坂田との大一番に備えて観客が見守る緊張感の中で一気に実戦感覚を取り戻す道を選んだようだ。

 長兄興毅は弟大毅と一緒の日にリングに帰ってくることを決めた。ポンサクレック(タイ)に判定で敗れて王座から陥落した3月以来の試合で、これが再起戦となる。元2階級制覇王者の再スタートだけに、この興行ではメーンを務める方向で話が進んでいる。現時点では転級せずポンサクレックとの再戦を希望してはいるが、先行きは不透明な状況。そこで、まずは敗北から立ち直るべく大毅と故郷で再起を図るつもりだ。

 亀田家は、興毅の試合後に起こった史郎氏の「どう喝騒動」で、一時はジム消滅の危機にまで陥った。だが、ジムも吉井新会長の下でまもなく再始動する。新生亀田ジムとして最初に迎える国内戦、そこで兄弟2人が再スタートを一緒に切ることで注目されそうだ。