大相撲の伊勢ケ浜一門による連合稽古が1日、東京・江東区の伊勢ケ浜部屋で2日連続で行われ、関脇照ノ富士(23=伊勢ケ浜)が横綱白鵬(30)と互角に渡り合った。幕内魁聖や十両旭日松らに5連勝後、白鵬が土俵に上がると目の色が変わった。最初の一番から熱が入り、張られても前に出る。はたかれて敗れたが、2番目は寄り切って勝利。圧巻は3番目だった。

 土俵際に寄られた瞬間に左を差し、逆転の下手投げ。白鵬も思わず「おおっ」とうなる力相撲で勝利し、4番で2勝2敗だった。「9番しかやってない」と稽古量には納得いかない様子も、兄弟子の日馬富士とのぶつかり稽古では顔まで泥まみれ。非公開だった前日は、白鵬に全く歯が立たなかったというが、5月に入りエンジンがかかってきた。

 優勝か14勝以上で大関昇進の可能性もある夏場所(10日初日、東京・両国国技館)は、年内の昇進が目標の照ノ富士にとって大きなチャンス。最大の壁として立ちはだかる白鵬と肌を合わせ「いい経験ができたと思います」と手応えを口にした。新調予定の浴衣の柄は、似ていると評判のシロクマ。地上最大の肉食獣にたがわぬ雄姿を見せるべく、調整に励む。【桑原亮】