大相撲名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)で綱とりに挑む大関稀勢の里(29=田子ノ浦)が19日、香川・観音寺市の大野原八幡神社で行われていた3日間の合宿を打ち上げた。最終日はあいにくの雨だったが、約2000人が集まるなど注目の高さは相変わらず。弟弟子の幕内高安(26)と合宿最多の14番を取り12勝2敗で締めくくり「高安もだいぶ調子が上がってきたので、自分も負けじとやりました。いい稽古が出来ました」と話した。

 稽古後には、番付の頂点を目指す大関にうってつけの縁起物も届いた。「ちょうさ」と呼ばれる約2トンの太鼓台が登場。地元の地区では毎年秋に開催される「例大祭」の名物で、関係者の計らいで、祭り以外では初めて登場した。しかも、大野原八幡神社の自治体が所有する太鼓台は今年、14年に一度巡ってくる1番スタートで、祭りの主役になるという。男100人で動かす大迫力の光景に、稀勢の里も「若者の気合の入り方がすごかった。たくさんの人が協力しないと持ち上がらない。ありがたいです」と感謝した。

 今後は一度帰京して調整した後、名古屋入りする見込み。周囲の期待を背負い、勝負の地に向けて「非常にいい稽古ができましたし、いい準備にもなった。また名古屋に入っても、力を出し切れるように頑張りたい」と意気込んだ。