1敗で単独トップの鶴竜(31=井筒)が、過去の対戦成績で5勝39敗と圧倒的に分の悪かった白鵬(31=宮城野)との横綱決戦に完勝し、12勝目を挙げた。

 立ち合いから白鵬を出足で圧倒。もろ差しで土俵際に追い詰めた。粘る白鵬が右を巻き返しても、時既に遅し。腰を浮かせ、万全の体勢で白鵬を寄り切った。

 相性の悪さもネガティブには考えず「自分が出来る相撲に集中しようと思いました。立ち合いが良かった」と集中力の高さを強調した。初日から10連勝後、11日目に稀勢の里に敗れ日馬富士と石浦に並ばれた。そこは「いつも通り、特別な思いを持たずにやっているのがいい」と、立て直しに成功。その後、並走力士が敗れ再び単独トップに浮上したことにも「気持ちの揺れがないよう、ブレがないように」と揺るがなかった。

 14日目に、ただ1人2敗で追う日馬富士が白鵬に敗れ、自分が豪栄道に勝てば2差がつき、千秋楽も待たずに、昨年秋場所以来7場所ぶり3度目の優勝が決まる。それについても「そんなことは考えずに、ただの一番と思って行きたい」と平常心を貫く。