新入幕で東前頭12枚目の貴景勝(20=貴乃花)が、初日から4連敗後の4連勝で、星を五分に戻した。

 西前頭14枚目の千代大龍(28=九重)と対戦。相手の鋭い出足に、一気に土俵際まで押し込まれたが、右に体を開きながら逆転の引き落とし。「先手を取って攻め込みたかったけど(相手の)馬力が強かった。(引き技は)とっさに出ました」と、内容には不満が残るものの、五分に戻した安堵(あんど)感もにじませた。

 連敗中も「自分の100パーセントのパワーを出さないともったいない、と思うようになると、いい方に(精神状態も)変わった。1勝さえすれば何とかなると思ってました」とプラス思考を捨てなかった。4場所で通過した十両時代も、勝ち出すと勢いが止まらない傾向があった。それは認める一方で「反対に連敗しやすいタイプで、それも課題」と自分の弱さも受け入れている。尊敬する師匠の貴乃花親方(元横綱)が、新入幕場所(90年夏)で挙げた4勝に並んだ。白星を重ね、勝ち越しにまい進する。