東十両6枚目の小柳(23=時津風)は、東十両筆頭の豊響(32=境川)を左からのすくい投げで転がし、5勝5敗の五分に戻した。

 立ち合いは、豊響の圧力に後退した。「すごい立ち合い。止めるのが精いっぱい。予想以上だった」。それでも、土俵をうまく回ってしのぐと、左を差し込んだ。「左脇を空けて負けている相撲が何番かあった。今日は絶対に脇を空けないようにと思っていた」。強い意識が、白星を生んだ。

 連敗も少ないが、連勝も少ない。なかなか波に乗れない今場所。ただ「これも1つの勉強なのかな」と受け止めている。残り5日間-。そう聞かされると「5日間でしたか。6日間だと思っていた。ちょっと楽になりました」と笑った。「どうのこうの言っている余裕もない。必死に食らいついていきたい」と、勝ち越しを目指して挑んでいく。【今村健人】