約12年半ぶりに陥落した幕下で2場所目を迎えた西6枚目豊ノ島(33=時津風)が、驚異の巻き返しで5勝目(1敗)を挙げ、2場所での関取復帰に望みをつなげた。

 4勝1敗同士の相手は、既に再十両を確実にしている東筆頭の北はり磨(30=山響)。相手の突き放しを、下からあてがいながら徐々に上体を起こし、圧力をかけながら前進。相手が前のめりな体勢になるのを見逃さず、タイミングよくはたきこんだ。

 事前に相手の特長も「立ち合いでいい角度の当たりをする」と頭に入れながら「そこを止めて、なるべく下がらないように圧力をかけて」と話すイメージ通りの一番だった。

 連勝発進も3番相撲で敗れ、今場所後の再十両は絶望的と思われた。だが、その後に3連勝。残る1番も勝って6勝1敗なら、十両からの降格力士の数によっては、昇進の可能性もある。それは承知の上で「勝ち越していれば(いつかは関取に)戻れる。あまり考えずに、しっかり勝って今場所を終えたい」と、目の前の一番に集中する。