日本相撲協会で昇進問題を預かる二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は大相撲初場所14日目の21日、13勝1敗で初優勝した大関稀勢の里に関し、横綱昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請する意向を示唆した。

 千秋楽の取組前に審判部内で臨時会議を開き、意思統一を図る。稀勢の里は千秋楽に横綱白鵬戦が控えているものの、二所ノ関部長は「何よりも優勝したことが大きい。昨年は年間最多勝で安定感もある」と評価。八角理事長は、横綱昇進の話題に「終わってからだ」と述べるにとどめた。

 協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の守屋秀繁委員長(千葉大名誉教授)は「14勝した方がいいが、もうよろしいのではないか。(白鵬戦は)重要視しないでいいのでは」と私見を述べた。同委員長はトップと2差の12勝だった先場所後の会合後、稀勢の里の綱とりに否定的だったが「横綱2人に大関1人が途中休場する中で、これだけ頑張ったことを評価したい」と話した。

 平成以降に誕生した横綱9人のうち8人が直近2場所を連続優勝。鶴竜は優勝決定戦で敗れた翌場所で初優勝し昇進した。