新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が東京・江戸川区の所属部屋で8日、連日の三番稽古を行い、弟弟子高安(30)の成長を実感した。

 得意の左四つに組むんだところから押し返されたり、稽古場の壁に背中を付けられるほど力強く押し出されるなどして14番取って4敗。小結だった初場所で2横綱3大関を破り11勝を挙げ、敢闘賞を受賞した弟弟子の力強さに「だいぶ力がついてるからね。強くなっているよ、かなり。ちょっと油断すると持っていかれる」と、目を細めた。出稽古の予定を聞かれ「高安が元気なうちは(行かなくて)いいと思いますよ。力出しますし」と太鼓判を押した。

 9日には茨城県庁と地元の牛久市役所を表敬訪問する予定となっている。18日には牛久市で横綱昇進パレードが行われ、来場者は2万人の見込みで「牛久駅もこれで潤ってくれればいいね」と期待した。

 初場所後から多忙を極め、周囲の期待も高まるばかりだが「緊張感がある分、動きにキレあるね」と気負うことはなかった。高安も茨城・土浦市出身。同郷コンビで互いに鍛え合い、さらに地元を盛り上げる。