大相撲の元横綱大鵬(故人)の孫で元関脇貴闘力の三男、納谷幸之介(17=埼玉栄高3年)が19日、さいたま市の埼玉栄高で、大嶽部屋への入門会見を行った。

 会見には大嶽親方(元十両大竜)、同校相撲部の山田道紀監督らが同席。緊張した表情で「小さい頃からプロになりたいと思っていた。すぐにとはいかないけど幕内に上がって活躍できるようになりたい」と意気込んだ。

 埼玉栄中から6年間、納谷を指導した山田監督は「彼は負けず嫌いでひたむきさを持っている。努力する資質は1番たけている」と評価した。大嶽親方も「口数は少ないけど、真っすぐな子ども。やることはしっかりやる。どこまでも上がって欲しい」と期待した。

 当初は11月の九州場所でデビューする予定だったが、10月の愛媛国体で団体と個人の2種目で優勝したため、12月の全日本選手権出場が決まり、初場所(来年1月14日初日、両国国技館)でのデビューとなった。大嶽親方はしこ名について「本名の『納谷』でいきます」と宣言した。

 さらに、初場所での新序出世披露で着ける化粧まわしに、元横綱大鵬の現役時代の物を用意しているという。「彼だから許せる。お孫さんだから許してもらえるでしょう」と、知人が保管している化粧まわしを部屋に送ってもらうという。

 会見には約50人の報道陣が集まった。スチルカメラの無数のフラッシュを浴びても、動揺する様子はなく「プレッシャーは特にないです」ときっぱり。190センチ、160キロの巨漢に見合う、強心臓ぶりを見せた。