昨年10月の大相撲秋巡業中に起きた暴行事件で、加害者の元横綱日馬富士(34)が、被害者の前頭貴ノ岩(28=千賀ノ浦)に直接謝罪し、慰謝料や治療費など数百万円を支払う計画であることが10月31日、分かった。

前日10月30日に、貴ノ岩が母国モンゴルでの家族へのバッシングなどを理由に、約2400万円を請求する訴訟を取り下げ。これを受けて元日馬富士側代理人のある弁護士は「一般的に貴ノ岩関と相手方弁護士との契約は切れるので、今後は本人を窓口に接触するしかない。元日馬富士は誠実な対応を求めているので、会って謝罪し、誠実に慰謝料等を支払いたいと考えています」と明かした。

貴ノ岩が提訴した際に、元日馬富士側が解決のために提示したのは50万円だった。だが、元日馬富士に近い別の関係者は「本人は数百万円を渡したいと考えている」と明かした。訴訟取り下げを受けた、元日馬富士側代理人が発表した文書では「貴ノ岩関は、自身の代理人から正しい事実経過を知らされていないと感じざるを得ません」と記されていた。貴ノ岩の代理人は、元貴乃花親方と同じ弁護士事務所。双方に近い関係者は「当人同士は和解している。あとは元日馬富士が誠意を示したいと考えているだけ。代理人が間に入るより良いのでは」と話した。訴訟取り下げの際のさまざまな主張の食い違い発覚から一転、円満解決に歩み始めていたことが判明した。